2023年3月19日
創価大学の第49回卒業式、創価女子短期大学の第37回卒業式が18日午後、東京・八王子市の創大池田記念講堂で盛大に挙行さ
れた。創立者の池田大作先生は記念の和歌とメッセージを贈り、「生命の尊厳光る正道を進め!」と呼びかけた。イギリス・バッ
キンガム大学のジェームズ・トゥーリー副総長(学長)が祝辞を述べ、創大最高顧問の原田会長があいさつした。
母校への感謝を胸に、
民衆に尽くす人生を誓った卒業式。
幾多の苦難をはねのけ、
価値創造の歩みを貫いた学生たちが、
使命の大空へと飛翔する
(創大池田記念講堂で)
式典終盤、高らかなファンファーレで始まる勇壮な旋律が講堂内に響いた。卒業生の瞳に強い光が宿る。
コロナ禍による制限が緩和され、数年ぶりとなる創大学生歌の斉唱。皆がこの瞬間を待ちわびていた。
〽紅群れ咲く つつじの丘を……
声の限りに歌う一人一人の脳裏に、苦難に立ち向かってきた価値創造の日々が浮かぶ。
2020年4月、感染症の拡大に伴い、創価大学・創価女子短期大学ではオンライン授業を開始。キャンパスへの立ち入りが原則禁
止され、留学も中止や延期に。行き場のないもどかしさが募った。
ある卒業生が振り返る。「“コロナさえなければ”と何度も思いましたが、苦闘の日々を意味あるものにしようと皆で語り合ってき
ました」
心に深く刻むのは、創立者が19年の入学式に寄せた「地球民族の和楽のスクラムを広げよ!」「新時代を開く学びの新風を起こ
せ!」「創造的生命の旭日を昇らせよ!」との三つの指針。先行きの見えない不安が渦巻く中にあって、創大生・短大生は、忍耐
強く、新たな挑戦の歩みを進めてきた。
日本代表として米ハーバード大学主催の国際学生会議に参加した創大生や、世界規模のロボット競技大会等で優勝した学生も。
駅伝部が箱根駅伝で4年連続のシード権を獲得し、パイオニア吹奏楽団が「全日本吹奏楽コンクール」で“日本一”に輝くなど、ク
ラブの活躍も光った。
短大でも、多くの学生が各種資格試験で合格を果たし、「団体優秀校」として表彰されるなど、女性の世紀を開く人材を輩出す
る。
卒業に当たり、池田先生は、探究と錬磨の道を走り抜き、晴れの門出を迎えた英才たちに詠み贈った。
「満開の/桜のごとく/勝ちまくれ/世界の民衆に/笑みを咲かせて」
試練をバネに学びの新風を起こし、知恵と創意工夫で新たな伝統を築いた卒業生。その前途を祝福するかのように、中央教育棟前
の創大桜が薄桃色の万朶の花を咲き薫らせる。
“創立者との誓い、学友との強固な絆があれば、乗り越えられない壁はない!”――この確信をつかむ創価の俊英たちが、日本中、
世界中で躍動する“百花繚乱の時”が到来している。
式典では、水元短大学長、田代創大理事長に続き、卒業生の代表に学位記、修了証書が授与。本年度は大学院博士後期課程9人に
「博士」、法科大学院の修了者13人に「法務博士(専門職)」、大学院博士前期・修士課程の105人に「修士」、教職大学院の
修了者16人に「教職修士(専門職)」、学部の1534人と通信教育部の483人に「学士」、短大の136人に「短期大学士」、別科
の16人に修了証書、創大文学部のダブル・ディグリーコースの修了者に、イギリス・バッキンガム大学の「学士」が贈られた。
次いで各賞の表彰が行われ、創大の吉井太郎さん、山下ひかるさん、創価女子短大の石村美紀さんが「創立者賞」を受賞。創大卒
業委員長の永田和男さん、藤井芙祈さん、短大の石村さんが、報恩に生き抜く決意を述べた。
鈴木創大学長が、いかなる試練にもたくましく応戦しゆく価値創造の世界市民にと力説。バッキンガム大学のジェームズ・トゥー
リー副総長は、地球規模の諸課題の解決へ、絶えず自己変革に挑んでほしいと祝辞を述べた。
創大最高顧問の原田会長は、池田先生があらゆる困難を引き受けて、創価大学開学への道を開いた歴史に言及。その開拓の魂を受
け継ぎ、断じて負けない青春をと訴えた。
この日、トゥーリー副総長に「創大最高栄誉賞」が贈られた。また、創大の名誉教授称号が馬場善久氏、前田清隆氏、花見常幸
氏、浅山龍一氏、石原忠佳氏、菅野博史氏、佐々木精治氏、久保いづみ氏、鳥居直哉氏、石井秀明氏に授与された。