〈永遠なれ「3・16」 広宣流布記念の日65周年〉
2023年3月14日
小説『新・人間革命』第28巻「大道」の章から
「長州は、吉田松陰という良き師を得たゆえに、人材が躍り出て活躍し
た。青年は、良き指導者を得れば、どのようにでも変わる」とは、深き戸
田先生の指導である。
緊急の大結集となったが、師のもとに馳せ参じる誇りは、大きかった。
愚痴や文句など、微塵もなかった。
これが、草創からの学会精神である。異体同心の法理である。青年部の魂である。
そしてまた弟子を思う師の慈愛は、あまりにも深かった。
当日、暗く寒い早朝から集って来る青年たちに、体が芯から温まる「豚汁」をふるまおうと、先生は直々に細かく手を打ってくだ
さった。
参加者には「椀と箸を持参せよ」と徹底された。先生の心づくしの豚汁は、今でも黄金の思い出となっている。
◇
痩せられた戸田先生が、悠然たるお姿でスピーチに臨まれた。そして、己心の大確信を師子吼されたのである。
「創価学会は、宗教界の王者である!」──と。
それは、獄中で地涌の菩薩の使命を覚知され、敗戦の焦土から、ただ一人、広宣流布の戦いを開始された大偉人の大勝利宣言であ
った。
第二代会長として、生涯の願業である七十五万世帯の大折伏をば、誓願通りに成し遂げられた。
先生は、獄死した牧口初代会長の弟子として、“妙法の巌窟王”となりて厳然と仇を討ち、偉大な師の勝利を打ち立てられたのであ
る。
学会は、民衆勝利の“日本の柱”となった。
学会は、宗教界、思想界、精神界の王者とそびえ立ったのだ。
◇
日蓮仏法は本因妙である。
「3・16」は、弟子が決然と立つ節だ。
常に出発だ。常に挑戦だ。
常に団結だ。常に前進だ。
常に破折だ。永遠に勝利だ。
汝自身が、師と共に「広宣流布の大願」を起こすことである。
「師子奮迅の力」でいよいよ勇み立ってこそ、真の「広宣流布記念の日」となる。
(『池田大作全集』第138巻所収、随筆「人間世紀の光」〈「3・16」に弟子は立つ〉)