【小説「人間革命」連載完結30周年】
2023年2月11日
ブラジルの名門リオデジャネイロ連邦大学から、
池田先生への名誉博士号授与式。
マクラン総長(左から2人目)から学位記が手渡された
(1993年2月11日、同大学で)
梁島英明 男子部長
広布を誓う「新時代の山本伸一」に
私にとって小説『人間革命』は、「人生の師匠」を定めるきっかけとなった原点の書です。
18歳の時、“人生をいかに生きるべきか。師匠とはいかなる存在なのか”と考えていた中で、『人間革命』を読みました。
第2巻「地涌」の章で、山本伸一は、恩師・戸田城聖先生と出会います。小説を開いたことで、私は「山本伸一」と出会うことがで
きました。戦後社会の混乱の中で、師匠を求め続けていく、自分と同世代の伸一の姿に、胸を熱くしました。
出会いには「対面の出会い」もあれば、書物などを通した「胸中の出会い」もあることを実感しました。
『新・人間革命』には、「師弟とは、形式ではない。常に心に師があってこそ、本当の師弟である。心に師がいてこそ、人間とし
ての『自律』があり、また、真の『自立』があるのだ」(第22巻「新世紀」の章)とあります。
「心の師」への日々の誓いこそ、広布に生きる青年の原動力です。
「我、新時代の山本伸一なり!」との男子部スローガンは、“不二の弟子”であろうとする誓いそのものです。
中部男子部では、昨年12月から『人間革命』を毎月1巻ずつ研さんしています。広宣流布大誓堂完成10周年の11月に、全12巻が終
了する予定です。
小説を学ぶ中で、“自分が山本伸一だ!”との自覚に立ち上がったメンバーは、「広宣流布が“自分事”になった」と真の主体者に成
長しています。
戸田先生が宣言したように、創価学会は「宗教界の王者」です。そして今、池田先生の闘争によって、学会は日本最大の民衆組織
となり、社会の柱として、厳然とそびえ立っています。
広布が進めば障魔も激しくなります。男子部が先頭に立ち、破邪顕正の言論を力強く展開していきます。
社会や世界が危機に直面する今だからこそ、希望のビジョンを描き、導く、新しい価値を生み出すことが創価の青年の使命です。
『人間革命』『新・人間革命』で示された師の指針は、「不変」かつ「普遍」です。そこには、汲めども尽きぬ知恵の源泉があり
ます。それを引き出す根幹こそ、「山本伸一」としての自覚です。
“出でよ、幾万、幾十万の山本伸一よ!”との師の呼びかけに呼応し、私たち男子部は、総立ちになっていきます。
ブラジルSGI リビア・エンドウ 女子部長
励まし広げ、人類融合の大海原を
小説『人間革命』の連載が完結した1993年(平成5年)2月11日、リオデジャネイロ連邦大学から池田先生に対して「名誉博士
号」が贈られました。
池田先生は謝辞の中で、戸田先生の「地球民族主義」に言及。リオは「『大いなる普遍性』への『希望の港』」と語りました。
さらに、「皆さまとともに、人類融合の大海原へ、船出しゆく決心であります」と呼びかけてくださいました。
ブラジルの地に、永遠不滅の師弟の魂魄がとどめられてから30年──平和と友情に彩られた“人類融合の大海原”を広げようと、ブ
ラジル青年部は、小説『人間革命』『新・人間革命』を心に刻みながら、対話・拡大に取り組んでいます。
女子部では、教学などを研さんする「法華経の華」大学校を活発化。毎月、全土で開催される大学校の小単位の集いで、『新・人
間革命』を学び合っています。
『人間革命』『新・人間革命』を糧に、信仰の原点をつかんだ体験は、枚挙にいとまがありません。
当初、活動に消極的だった、ブラジル北東部に住むあるメンバーは、「法華経の華」大学校で『新・人間革命』に触れて発心し、
自主的に研さんに励むようになりました。「教学にも挑戦し、引っ込み思案を乗り越えたい」と、さらなる決意を燃やしていま
す。
最愛の祖父を亡くした、ブラジル南部の鼓笛隊員は、『新・人間革命』第14巻「使命」の章が心の支えに。そこには、祖母との別
離の苦しみを克服する鼓笛隊員のドラマが描かれています。同章をひもとき、彼女は、鼓笛隊の誇りで再起することができまし
た。
『人間革命』第1巻「終戦前後」の章には、戸田先生が戦後の混乱期にあって、広布の時を待つのか、時を創るのか、自問自答する
場面があります。
その際、「一人の新たなる真の同志をつくる。それから一人、また一人とつくっていく。これが取りも直さず、時を創ることにな
る」と決心されます。
危機の時代に直面し、ブラジルだけでなく、世界は混沌としています。『人間革命』『新・人間革命』にちりばめられた知恵を現
実化し、一人に励ましを送る実践に、広布の未来を開く大道があります。
「2・11」から「3・16」65周年へ、ブラジル女子部は、師匠の心をわが心とし、一対一の語らいを広げながら、幸福・勝利の花
を咲かせてまいります。
映画・劇画化
50年前の1973年(昭和48年)9月、東宝映像とシナノ企画の共同製作で、小説を原作とした映画「人間革命」がロードショー公
開された。
脚本は、「七人の侍」などを手掛けた橋本忍氏が担当。初代会長・牧口先生と第2代会長・戸田先生の出会いや、獄中の悟達、戦後
の創価学会の再建などが描かれた。観客動員は500万人を数え、日本映画の興行収入の記録を塗りかえる大ヒットとなった。
76年(同51年)6月に公開された映画「続・人間革命」(製作=シナノ企画、東宝映像)では、戸田先生と山本伸一の出会いや、
戸田先生の第2代会長就任などが映像化された。
前作を超える爆発的なヒットとなり、この年、日本映画で第1位の興行収入を記録している。
製作に際し、池田先生は、多忙な合間を縫って、撮影現場に足を運び、出演者やスタッフをねぎらった。映画「続・人間革命」
で、山本伸一役を演じた俳優・歌手のあおい輝彦さんは、先生の激励によって、「映画に対する闘志が湧いてきた」と振り返って
いる。
また、劇画『人間革命』(劇画・石井いさみ、脚本・渡あきら)は、88年(同63年)7月から本紙で掲載がスタート。2002年(平
成14年)12月まで、14年5カ月にわたる長期連載となった。
20年(令和2年)4月、小説第2版に基づいて再編集された劇画『人間革命』第2版が、聖教電子版で配信を開始。現在、毎週水曜
日に配信されている。