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〈全国高校駅伝 都大路への道〉上 関西創価高校の挑戦

2018126

 

                   常に本番を想定して

                     練習に臨む

                     (関西創価高校で)

 

 男子第69回全国高等学校駅伝競走大会(全国高校駅伝)の大阪

府予選(11月3日)で初優勝を果たした関西創価高校(大阪・交

野市)。今月23日、大阪府代表として、京都で開催される全国高

校駅伝に初挑戦する。長距離チームを強化して「3年」でつかんだ

都大路への道。数々の伝統校・強豪校を抑え、わずか「4秒差」の大激戦を制した関西創価の「強み」とは何か。

先月下旬、同校を訪ね、取材した。

 

①自主性

阿部一也監督が長距離チームの顧問に就任したのは2015年4月である。

この年の1月、創価大学が箱根駅伝に初出場したことを契機に、関西創価高校でも長距離チームの強化に取り組み

始めた。

阿部監督は国士舘大学の陸上競技部出身。学生時代は4年連続で箱根駅伝に出場し、1年次は5区、2年から4年

次は2区を担った。その後、日産自動車陸上競技部を経て、同大学のコーチ、松蔭大学駅伝分の監督などを歴任し

てきた。

阿部監督がチーム作りで心掛けているのは「自主性」である。「”やらされている練習”では強くなりません。自分

が”やらないといけない” と自覚して取り組んだことだけが本番で生かされます」と語る。

自主性といっても”選手任せ”の指導ではない。練習メニューは監督が提示する。主将の葛西潤選手(3年)は「一

つ一つのメニューにどのような意図があるかを考え、自らの体調も意識しながら練習に取り組みます。練習中も、

常に本番を想定しています」と語る。その繰り返しの中で、大阪府予選1区で区間賞を獲得する実力を付けた。

阿部監督は、一人一人の表情や足の動き、呼吸の仕方などに目を配る。ちょっとした変化を見逃さず「今の走りは

どう思う? 考えてごらん」と言葉を投げ掛ける。”答え” ではなく、”問い掛け” を重ね、選手が自ら考える習慣を

大事にしているという。

時には、指導者として、難題にぶつかる時もある。

ある主力選手が今年の4月からスランプに陥った。コンディションは良いはずなのに、レースに出場すると記録が

出ない。阿部監督も選手と共に悩み、考えた。何度も対話を重ねながら、共に挑戦と失敗を繰り返した。その中で、

彼は大阪府予選の2週間前に自己ベスト記録を更新。自信を取り戻し、本番では優勝を決定づける好走を見せた。

こうした対話の中で選手たちは自主性を培い、自らの能力を開花させている。

また、監督と選手の”交換日記”も自主性を高めるきっかけになっている。選手たちはレースや大会後に必ず、その

日の反省や課題をノートに記し、阿部監督が一人一人にコメントを書く。自分らしいレースを展開した選手に対し

ては「収穫の多いレースでしたね。今まで苦労した分を取り戻しましょう」と。

気持ちで負けてしまった選手には「なぜペースを上げられなかったのか、もう一度考えよう」と問う。選手にとっ

て ”交換日記” は成長の記録である。

「こうした積み重ねが、今回の結果につながったのだと思います」と語る阿部監督。「指導者として現状に満足せ

ず、常に考え、試行錯誤しています。個に合わせた指導が関西創価のカラーですね」

 

②チームワーク

長距離チームの部員数は3年生が3人、2年生が4人、1年生が6人の13人。各都道府県予選を勝ち抜いた高

校の中でも、少人数のチーム構成である。一般的に、少人数のチームは「選手層が薄い」「競争意識が生まれにく

い」というデメリットが挙げられる。しかし、関西創価は、少人数を強みに変えていた。

大阪府予選で優勝した要因として選手たちが口をそろえたのは「チームワーク」。どのようにチームワークを築い

てきたのか。

まず「明確なチーム目標」を掲げ、全部員が真剣に実践してきたことである。

本年、新チームの出発に当たり、選手たちは「チーム目標を創りたい」と阿部監督に提案した。合同合宿で強豪校

の実践から学んだ取り組みだった。選手たちは何度もミーティングを重ね、三つの目標を掲げた。ここには、皆の

思いが詰まっていた。

「当たり前のことを当たり前にでき、応援されるチーム」

 ――”陸上競技だけ”ではなく人間として成長する。勉強も掃除も一つ一つ真剣に取り組む。陸上部員である前に、

学園生として、当たり前のことを当たり前にやっていく。それができてこそ、皆から応援されるチームになる。

「粘り強く心で勝つ人に」

――阿部監督から常に助言された言葉。抜かれても必死に食らいつく。1秒でも前に進んでタスキを渡す。心で

絶対に負けない人になる。

「感謝の走りで都大路入賞」

 ――家族への感謝。応援してくださる全国の皆さんへの感謝。そして、いつも真心の激励を送ってくださる創立

者・池田先生への感謝。その思いを決して忘れず、都大路に出場して恩返しする。

選手たちは、毎回の練習前と練習後に、このチーム目標を皆で声に出し、確認し合っている。志村健太選手(2年)

は「一人一人が、何のために、関西創価に来たのかを確認し、今、自分にできることは何かを考えています」と語

る。全部員がチーム目標を、自身の生活と練習の目標に落とし込み、一日一日、実践してきた。学園関係者が大阪

府予選当日のレースを「一つの糸でピーンとつながっていたようだった」と表現した通り、明確な目標に向かって

一糸乱れぬ団結があったゆえの、勝利だったといえる。

もう一つは、3年生を中心とした勝利への執念だ。

杉本規彦校長は語る。

「生徒たちは相手がどうあれ、”都大路に行く”と決めていました。何のために都大路を目指すのか。彼らには ”創

立者をはじめ全国の皆さんに喜んでいただきたい” という強い思いがありました」

主将の葛西選手(3年)は「”チームで勝つ”ことを疑ったことはありません。一人一人を信じ、心一つにやってき

ました」と力を込める。葛西選手、同じく3年の本田晃士郎選手、岩崎大智選手の3人は ”新たな歴史を築く” と

の一心で、強化1年目の関西創価高校に入学。3人とも中学時代は、全国を舞台に活躍してきた実力者である。

大阪府予選で1年次は10位、2年次は5位。最終学年となった本年、葛西選手が主将として意識してきたことが、

まさに「チームワーク」だった。チームの団結が、一人一人の力を何倍にも大きくすることを、深く心に刻んでい

た。

萩間栄二総監督は語る。

「陸上競技は、個人スポーツの側面がありますが、団体スポーツ以上の団結力が必要な競技です。関西創価のモッ

トーは”全員陸上”です」

 

③負けじ魂

大阪府予選は7区・アンカーの”勝負”となった。2位との差は13秒。トップでタスキを受けた岩崎選手(3年)

は、レース前からあらゆる展開を想定し、練習に取り組んでいた。

関西創価を追う関大北陽高校のアンカーは2年生の実力派ランナー。5000メートルの持ちタイムでは、岩崎選

手を約30秒、上回っていた。

それでも岩崎選手は3年生として「思いは(相手よりも)1年分強い」という自負があった。「追い抜かれても絶

対に離れないことを意識しました。離れたら、終わってしまう。一秒一秒、集中しました」と振り返る。

実際、関大北陽の選手に抜かれはしたものの、岩崎選手が、相手の背中から離れることはなかった。

そして想定していた通り、ラストに勝負をかけて、最後は「4秒差」の大激戦を制したのである。

チームメイトの神永皓真選手(1年)は語った。

「”最後まで諦めない” ”最後に勝つ” ――岩崎さんの姿を見て、僕も、あのような走りをしたいと思いました」

本房達哉教頭は、今回の「負けじ魂の勝利」が、ある場面と重なったという。1981年(昭和56年)秋、創価

高校サッカー部が都大会Bブロックを制し、初の全国大会出場を決めた時である。本房教頭も、同部の一員だった。

「あの時、池田先生が本当に喜んで下さいました。今回も、池田先生をはじめ学園を支えてくださる方々の思いが

結実したのだと思います」と感慨を込める。

また本房教頭は、体育科の教員として歴代の陸上部員が授業に取り組む姿勢に一つの共通点があることを知ってい

た。「陸上部の生徒たちは手を抜きません。授業のマラソンでは、学園一を目指して、最後まで全力を尽くします。

陸上部員は自分の限界に挑戦するという、負けじ魂の実践を、授業の中で、ずっとやっていました」

「負けじ魂」の真価が、一年で最も発揮される行事が「健康祭」の名称で親しまれてきた体育祭だ(現在は「情熱

の日」の行事として開催)。

池田先生は、この行事に幾度も出席し、負けじ魂光る熱戦に喝采を贈った。マラソンでは先生自らがピストルを構

えて号砲を鳴らしたことも。脇腹を押さえながらゴールに飛び込んだランナーを、抱きかかえるようにして、自身

の胸章を授ける一幕もあった。

池田先生は、負けじ魂の意義をこう述べている。

「勝利の栄冠は、負けじ魂が燃える『挑戦の人』の頭上にこそ輝くのです」

都大路への初出場は、池田先生と共に築いた負けじ魂の伝統が、今再び、花開いた瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 


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