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〈ワールドリポート〉 世界の“ザダンカイ” デンマーク

2018年6月13日

 

   幸福を開く力は自身の心に

   池田先生の欧州訪問第一歩の国

 

    欧州広布の「原点」の国・デンマークSGIの友。

      首都コペンハーゲンに立つ白亜の北欧文化会館で、

        広布前進の気概にあふれて(先月)

 

先月下旬に訪れたデンマークの首都コペンハーゲンは、連日、

最高気温が25度を超える快晴だった。長く厳しい“北欧の冬”

を越え、春から夏へ、一気に季節が移ったかのよう。自宅の

庭や公園、レストランのテラスで談笑する人たち――。

皆、太陽の光を楽しんでいた。にぎやかな町を抜け、取材に行った座談会会場。そこでも、とびきり明るい同志の

笑顔が待っていた。

 

「この時期で、こんなに暖かいのは珍しいよ」。会場へ向かう途中に出会った町の人が、にこやかに語っていた。

ドイツと陸続きのユトランド半島と、大小500以上の島からなるデンマークは、北欧の中では最も南の“暖かい

国”。それでも5月は、まだ肌寒さを感じるのが普通だという。

季節によって日照時間が大きく異なるのも、北欧ならでは。夏は17時間以上、太陽が出ている。午前5時前には

日が昇り、日没は午後10時ごろだ。

もう一つ、デンマークを語る上で欠かせないのは国民の「幸福度」の高さ。国連などの幸福度調査で、毎年、最上

位に位置する“幸福先進国”である。

福祉制度や労働環境の充実、余暇を重んじるライフスタイル……さまざまな幸福の要因が挙げられている。

 ◇

首都コペンハーゲンは、デンマーク語で「商人の港」を意味する。小さな漁村から始まり、多くの運河とともに交

易で栄えた。数百年の歴史を伝える石造りの建物、カラフルな木造家屋、そして近代建築が調和した町並みが広が

る。

訪れたのは、市の北西部で行われたグループ(日本の地区に相当)の座談会だった。

会合が始まる1時間前の、午後6時半。会場には、すでに参加者の題目の声が響いていた。

「1時間前に唱題をスタートし、30分前に勤行をします。仕事等の理由で1時間前に来られない人も、勤行には

間に合うように参加します」

支部婦人部長のナナ・フランシスカさんが教えてくれた。

隣には、12歳の娘のウーナ・パレさんの姿も。入り口付近に座り、参加者が呼び鈴を鳴らすたびに、入り口のロ

ックを解除する役を買って出ていた。

ギターケースを担いだ青年が入ってきた。アイギル・ヒルドガードさん(男子部部長)。ケースのポケットから本

を出し、ぱらぱらとページをめくる。

午後7時半。サンネ・ヒュン・ヤコブセンさん(女子部グループ長)の司会で会合がスタート。勤行の後、ヒルド

ガードさんを中心に「十界論」を研さんした。

先ほど読んでいたのは、ここで使用する教学著作。「ゲスト(会友)のために準備しましたが、今日は一人もいませ

んね」とヒルドガードさん。デンマーク生まれの学会2世である。

「でも基礎を学ぶことは、何年たっても大事ですから」

すると何人かが「あなたはゲストと言えるかも」と、カーステン・ウィットさんの方を向く。彼は約1年半、勤行・

唱題に励んでいるが、御本尊を持っていない。「このグループは居心地が良いし、会合は楽しいよ。御本尊をいた

だくのは、もう少し仏法のことを学んでからかな」

入会に踏み切る前に、信心の実践をじっくりと重ねる人は少なくない。そうした人たちが仏法への理解を深められ

る小規模の座談会が、デンマークSGI(創価学会インタナショナル)の活動の中心である。

ヒルドガードさんが十界の説明を終えると、座談会は自然とディスカッションに。

「私たちは皆、ありのままの姿で仏になれるという考えに、魅力を感じます。“九界の姿を通して仏界を涌現する”

という風に教わりました」

「大切なのは、仏界は、すでに生命に具わっていると信じることだね。信じないと、それを引き出すことはできな

いから」

自由闊達に語り合う光景は、議論好きなデンマーク人の間では珍しいことではない。だが、SGIの友が会合を楽

しみにしているのには他の理由もある。

「私はかつて、就職で悩んでいました」。女子部のメンバーが口を開いた。

「200を超える会社にエントリーし、33社の面接を受け、昨年、やっと仕事が見つかりました。しかし2日前、

その会社から解雇されたんです。今はつらいですが、6月中に、必ず次の就職先を見つけます。これが私の決意で

す!」

話し終えるやいなや、大きな拍手が会場を包んだ。うれしいことも、大変なことも、ありのまま、分かち合える励

ましの世界。そんな生命の触発が、皆の活力となっている。

 ◇ 

その後もディスカッションは続いた。

入会したものの、「信仰を生活の軸に置くのは簡単ではないわ」と語るヴィベケ・ミドルトンさん(婦人部員)。

困難に直面すると、力を奮い起こすより前に、“頑張らなくてもいい”と思うことがあるという。

周囲からすぐにエールの声が掛かった。

「人と比較するのではなく、自分のペースでいいのよ」

「理想と現実を比べて落ち込むより、今、できることから始めるのが大切だよ」

ミドルトンさんは、「確かにそうね」と笑顔で返した。

21年前に入会した、イタリア生まれのガブリエラ・ビネッティさん(婦人部グループ長)。「この信心は、自

が悩みのど真ん中にいる時でも、人を幸福にしていけると教えているわ。それって素晴らしいことじゃないか

しら」。皆がうなずいた。

「あら、ヤコブ!」。誰かが言うと、部屋の入り口に視線が集まった。参加者を車で送るために到着した、ヤコブ・

クラーグさん(壮年部長)だ。

「せっかくだから一言」と、クラーグさんは語った。

「今月(5月)、日本の研修会に参加してきました。池田先生は、“どんな試練にも負けず、人生に勝ちゆけ”との

激励を送ってくださいました」

「仏法では、師匠と弟子は、深い縁で結ばれ、ずっと一緒に信心をしていると説かれます。不思議ですが、本当な

んです。だから距離は離れていても、私たちはいつも先生と一緒です」

 ◇ 

1961年10月5日、池田大作先生は欧州訪問の第一歩をデンマークに刻んだ。当時まだ、SGIメンバーがい

なかった同国の大地に、先生は地涌の菩薩が現れるようにと、題目を染みこませた。

今、同国のSGIは6本部の体制に発展。200人を超える男女青年部を先頭に、多様な民族や言語が融合する同

国の社会に、人間主義の連帯を広げる。

環境によって決まる幸福ではなく、自らの生命を輝かせて開く幸福は、どんな場所、どんな一人からでも広がって

いく。この希望の哲学を多くの人と分かち合いたいと、デンマークの友は誓う。半世紀を超える師の戦いが、そう

であったように――。

座談会の会場を後にしたのは午後9時前。帰路に就くと、ようやく日が沈み始めた。町を赤々と染めていく夕日は、

勝利の明日を約束する光に見えた。

 

 

 

 

 

 


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