「冬は必ず春となる」(1253ページ)
御本仏・日蓮大聖人が贈ってくださった一言は、人類の心に太陽を昇らせゆく励ましである。
どんなに厳しい宿命の冬にも負けない勇気と、何としても喜びの春を呼ぶ希望の光源が、こ
こにある。
この励ましの陽光を、来る日も来る日も、皆の心へ届けているのが、誉れの創価家族である。
草創期、東北のけなげな女子部の友から、「どうすれば世界広布の役に立てますか?」と真
剣な質問を受けたことがある。「そう悩む心それ自体が、仏の心だよ」と讃えつつ、私は申
し上げた。
「目の前の一人を真心こめて励ますことから、全ては始まる。そこから、必ず道は開かれる」
と。
「一人」の生命は、かけがえのない宝塔である。その一人が、「十界互具」「百界千如」
「一念三千」の尊極の仏の当体に他ならない。
ゆえに一人を励ますことは、地域を変え、国土を変え、未来までも変えて、わが師・戸田城聖
先生が夢見た「人類の境涯」を高めゆく、最も地道にして最も着実な仏の大聖業なのである。
御聖訓には、「一字一句をも之を聞きし人 仏にならざるはなし」(1046ページ)と仰せ
である。
この御本仏のお心のまま、一人一人の仏性を信じ抜いて、諦めず、退かず、たゆまずに、わが
地区で、わがブロックで、励ましに徹し抜いてきたゆえに、今日の世界広布の壮大な広がりが
あるのだ。
いずこの天地にも、創価の励ましの達人がいる。
一人一人の個人指導、一軒一軒の家庭訪問という仏道修行をやり切ってきた多宝の父母たちは、
何という尊貴な生命の輝きを放っていることか。
たとえ、その時は相手の心に響いていないようでも、あとになって「あの励ましがあったから
こそ」と感謝されることも、多々あるものだ。
「人がものを教えるというのは、車が重かったとしても油を塗ることによって回り、船を水に
浮かべて行きやすくするように教えるのである」(1574ページ、通解)。この御書に示さ
れた人間教育の極意を学びながら、皆がいよいよ心軽やかに前へ前へ進めるよう、誠実に祈り、
聡明に対話を重ねていきたい。
「自他不二」なるがゆえに、友を励ますことは、自分を励まし、お互いの仏性を強めることで
ある。
大聖人は、女性の門下を励まされた際、「日蓮よりも強盛の御志どもあり」(1162ページ)
とまで賛嘆されている。この御振る舞いを拝し、励ましとは、その人を尊敬し、その人に学ぼ
うとする一念から出発すると、私は心に期してきた。
人と人の絆が引き裂かれる「闘じょう言訟」の悪世にあって、奇跡の如く、あらゆる差異を超
えて、幸と平和の大連帯を広げゆくのが、創価の励ましである。
今この時に踊り出てくれた不思議な地涌の若人たちを、いやまして励まし、歓喜と栄光の「春
の曲」を明るく賑やかに奏でゆこうではないか!
今日もまた
万の力を
贈りゆけ
励まし王者は
声も惜しまず
大百蓮華 2018年3月号(No.821)巻頭言
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青:平和
黄:栄光
赤:勝利
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