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随筆 新・人間革命 037 「本部幹部会とともに」

 

 リズムある活動には、力がわく。希望がある。持続がある。

 広宣流布は、三世永遠の遠征である。ゆえに、リズム正しい、月々の着実な前進が大事になる。

 その勝利のリズムをつくりゆく回転軸が、毎月の「本部幹部会」である。

 戸田先生の逝去の直前の、1958年(昭和33年)3月のことであった。

 約1カ月にわたり、総本山の大講堂落慶を祝う行事が続いていたことから、3月度の本部幹部会を開催すべきか

 どうか、最高幹部で検討した。

 皆で出した結論は、「中止」であった。

 戸田先生は病床にあられたが、それを聞くと、烈火のごとくお怒りになった。

 「何を言うか! 本部幹部会が、毎月の最も大事な総決算であり、次の1カ月の新たな出発ではないか。大事な

 節目ではないか。私は命をかけている」

 最高幹部は、本部幹部会にかける先生の気迫に、その重要さを改めて痛感したのである。

     ◇

 3月度の本部幹部会は、翌月の3日に、東京・豊島公会堂で行われることになった。

 しかし、先生は4月2日に亡くなられ、その幹部会は、戸田先生の逝去の発表の場となってしまった。急きょ、

 内容も変更された。

 登壇した私は、自己の深い悲しみと戦いながら、悲嘆に暮れる同志に、力の限り訴えた。

 「先生のお命は、わが創価学会、われわれ弟子とともに、永遠に生きていらっしゃると信ずるものです」

 同志に希望の光を送るのだ。そのための本部幹部会ではないか――私は、こう自分に言い聞かせながら、懸命に、

 未来への出発を呼びかけたのであった。

     ◇

 本部幹部会は、略して、あるいは親しみを込めて、「本幹」と呼ばれてきた。

 この「本幹」に、「第○回」と、通算の回数を冠するようになったのは、私が第3代会長に就任してからのこと

 である。

 戸田先生が、魂魄をとどめた「本幹」の伝統精神を受け継ぎ、一回一回を、皆の前進のエネルギー源にしようと

 の決意からであった。

 毎回が真剣勝負であった。それは、本部の全職員の決意にもなっていった。

 「本幹」の当日は、皆、役員等で多忙である。そのため、71年(昭和46年)2月から、何年もの間、本部の食

 堂のメニューは、カレーと決まっていた。

 作る方も、食べる方も、素早くすませ、さっそうと出かけた姿が懐かしい。

     ◇

 87年(昭和62年)12月で、「本幹」は339回を数え、翌年1月から、今再びの決意で、第1回とすることにし

 た。

 そして、96年(平成8年)5月度で100回となったことから、7月度の「本幹」から、また、新たに第1回とし

 たのである。

 以来、この8月度で第25回となる。

     ◇

 その間、「本幹」の会場も次第に大きくなり、台東体育館や東京体育館から、日大講堂や日本武道館、また、創

 大の中央体育館などへと変わっていった。

 それでも、広布の大発展にともない、幹部が一堂に集うことは困難になった。

 そこで、一時は、会合の録音テープを配布し、各地の幹部会で聴いていただくという方式をとったこともあった。

 また、音声中継で、皆が指導を聴けるようにしたこともあった。

     ◇

 現在の衛星中継のシステムが導入されたのは、89年(平成元年)8月の第1回東京総会からである。この8月

 で、ちょうど10年目に入ることになる。

 これによって、本幹の模様は、そのまま最前線の同志に伝わり、皆が呼吸を合わせ、毎月、新たな出発ができる

 ようになった。

 その陰の担い手が、学会の衛星通信網「SHN」(SGI・ヒューマン・ネットワーク)のスタッフであり、全

 国のサテライト・グループ(衛星中継の受信担当者)の方々である。

 皆様の奮闘に、私は、心から感謝申し上げたい。

     ◇

 数百万の同志が、全国津々浦々の会館に集い、広宣流布を誓い合う「本幹」の衛星中継は、六万恒河沙の地涌の

 菩薩が雲集した、あの荘厳なる虚空会の儀式にも通じようか。

 「御義口伝」に「霊山一会儼然未散」(御書757㌻)と。

 私は、「本幹」を、永遠に“勇気の源泉”に、“歓喜の光源”にしようと、毎回、全力投球で取り組んできた。

 皆様方、お一人お一人と、対話する思いで、全魂を傾けてスピーチしている。

 皆様が喜んでくださるならと、何回となく、学会歌の指揮もとらせていただいた。

 今月も、また、来月も、「本幹」を節に、ともどもに、楽しき使命の歩みを続けよう。

 21世紀の、広布の希望の山をめざして。

(1998.08.26 聖教新聞に掲載)

 

 

 

 

 

 

 

 


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