「2007年に日本で生まれた子どもの半分は107歳まで生きる」――先週、ニュース
等であらためて注目された研究。ベストセラー『ライフ・シフト』の著者で、英ロンドン
ビジネススクール教授のリンダ・ダラットン氏による予測である。
同氏が、安部政権の目玉政策「ひとづくり革命」の具体策を議論する「人生100年時代
構想会議」の初会合に招かれ、長寿時代の人生設計の在り方が話し合われた。多くの穂と
が80代まで働き、100歳まで生きるようになるかもしれない。
この類の話になるとメディアは、どこか悲観的な報道が多くないだろうか。確かに医療や
介護などの課題はある。健康面や経済的な不安を抱く人も少なくない。一方で、わが事と
して実感が伴わない人も。同氏は、今50歳未満の日本人は100歳以上生きる時代を考
えておいた方がいい、と述べている。
今後ますます問われるのは、私たちの生き方であり、社会の在り方だろう。
長寿という”人類の夢をかなえた国”ともいわれる日本は、世界に先駆けて、人生100年
の模範的な姿を示せるかどうかだ。
高校卒業後、銀行で定年まで働いた82歳の若宮正子さん。先の会議に招かれた識者の一
人で今年、アイフォーン用アプリを開発し話題となり、アップル社のCEO(最高経営責
任者)と米国で懇談。”勇気づけられる存在”として称賛された。
若宮さんは定年退職後、親の介護等で家にいる時間が増えて友人との交流が減り、パソコ
ンを初めて購入。ネット掲示板で新たな友人ができるかもしれないと考えた。シニアが豊
かに生きるために必要なのは、情報と友達だと実感している。
いわんや創価の大先輩にして”幸福人生の達人”ともいえる多宝会(宝寿会=東京、錦宝会
=関西)の方々は、広宣流布という使命を胸に世界宗教の礎を築いてきた、勇気の先覚者
だ。 その姿は、御書に「上行菩薩と申せし老人」(1458頁)とあり、法華経で荘厳
なまでの風格を”百歳の人”とたとえられている姿に通じる。次代を担う後輩世代にとって
「信心即勝利」のお手本といえよう。もちろん、人生の価値は、何歳まで長生きしたかよ
りも何を成し遂げたかにある。
きょうは「敬老の日」。世間では老いの価値が揺らぐ今、私たちは、師弟の共戦譜をつづ
ってきた多宝の友を心から敬い、”未来までの物語”を受け継ぐ決意の日としていきたい。