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〈希望航路 池田先生と進む人生旅〉 スイス③=完

2017912

師と共に 黄金の時を刻む

 

*****6度目となるスイス訪問の滞在最終日、

*****行事の運営に携わったスイスの役員メ

*****ンバーらとの記念撮影に臨む池田先生

*****ご夫妻。

*****先生は「皆さまの尊い労苦と真心は、

*****生涯忘れません」と

********(1989年6月18日、ジュネーブで)

 

スイス・ジュネーブのUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の本部に万雷の拍手が鳴り響いた。

1989年6月16日、人道的見地からの長年にわたる努力と功績をたたえ、池田先生に「人道賞」が授与された

のだ。

高等弁務官から顕彰盾を受章した先生は、「この章は、スイスをはじめ、SGIの全同志と共に拝受する誉れであ

ります」と、謝辞を述べている。

スイスSGIの代表として、この場に列席したマッシモ・マラッツィさん(理事長)は、感動の面持ちで述懐する。「先生のご受章は、私たち同志の誇りとなり、SGIへの理解を広げる力になりました」

マラッツィさんは、56年2月、スイスのルガノで生まれた。建築家として、役所や学校の建設を手掛け、91年

には、現在の個人事務所を開設。社会貢献に尽力している。

ジュネーブ大学在学中の83年1月、一時滞在したイタリアのフィレンツェで、友人に誘われ、SGIの座談会に

参加。「宿命転換の法理」や「楽観主義の生き方」に感銘を受ける。2人の友に弘教を実らせ、4カ月後に自身も

入会した。

マラッツィさんは言う。「当時、イタリアは先生が訪問(81年)された直後で、広布拡大の上げ潮が起きていま

した。私は、その中で折伏を受け、仏法に巡り合いました」

入会の翌月、チューリヒの空港で先生との出会いが。先生は歓迎したマラッツィさんのもとに歩み寄り、握手をし

てくれた。

89年6月には、先生の6度目のスイス訪問が実現。UNHCRでの授章式の翌17日、ジュネーブ市内では、第

2回スイスSGI総会が開かれている。

先生はスピーチで、スイスにゆかりの深い物理学者アインシュタイン博士に触れた。

戸田先生が、青年時代に牧口先生と共に、博士の講演を聴いた思い出を語っていたことを振り返り、“時にかなう

人生の生きがい”について語った。

「皆さま方は、いまだ仏法のよく知られていない、ここスイスの地で、初めて大聖人の正法を実践しておられる。

どれほどの福徳と深き使命の方々であるか」「三世永遠に崩れざる幸福の軌道に入っておられることを確信してい

ただきたい」

慈愛あふれる言々句々に、マラッツィさんをはじめ、同志は深い感動に包まれた。

またこの日、ジュネーブの宿舎の庭園で、マラッツィさんは、先生ご夫妻から声を掛けられ、一緒にジェラートを

食べた。その折、隣に座る先生が、空へカメラを向けた。

見上げると、白と黄色のパラソルのかなたに、雲一つない青空が広がっている。高度を上げる飛行機が見えたその

瞬間、先生はシャッターを切った。

数年後、先生は、その時の写真に和歌を添えて、スイスの友に贈った。「記念にと 世界平和の 拠点をば 尊く

見つめて シャッター切るらむ」

89年、先生のスイス訪問時、運営役員を務めた、タミコ・ドゥミエールさん(副総合婦人部長)。

総会や記念撮影の折も裏方に徹し、行事の成功を陰で支えた。

6月18日、先生はスイスでの全行程を終え、パリへ。ドゥミエールさんも役員として、ジュネーブの空港へ見送

りに行った。

搭乗口に向かう途中、先生は彼女の姿を見つけ、「お元気で」と、2度声を掛けてくれた。その温かな声は、今も

耳から離れない。

長年、観光ガイドとして、愛する地域の発展に尽くしてきたドゥミエールさん。その原動力は、この日の先生の激

励だった。

彼女は、秋田・男鹿半島の出身。高等部の時、先生の“これからは世界だ。語学を勉強しなさい”との指針に出合い、

海外への挑戦を志した。

60年代前半に、外交官の家で働くため、ジュネーブへ。「この時の外交官の方は、後(89年)に、UNHCR

での先生の授章式に来賓として列席されました。そうしたことを振り返っても、私はスイス広布に縁があったのだ

と思います」

“スイスの広宣流布に貢献したい”との思いで、ドゥミエールさんは69年、ジュネーブに移住する。「当時はまだ

メンバーが少なかったので、広布の一粒種である婦人部のサキ・ブローさんと共に活動していました」

苦労したのは、フランス語の習得。教学用語を覚えるため、御書の仏語訳を用いて勉強した。

その間も、日本語や英語を使い、縁する人に仏法の素晴らしさを語り広げた。

83年には、チューリヒで開かれた第1回スイスSGI総会で、新体制となったジュネーブ支部の副婦人部長に就

任。人生の苦難も信心で勝ち越えた。

移住から半世紀。師弟の誓いを胸に、勇気の信心を貫く彼女の姿は、後継の青年たちの模範と輝いている。

ドラム奏者のマティアス・ブロートベックさん(書記長)には、ある悩みがあった。

公演の直前、緊張からか、体の不調が起きること。その中で、世界的に有名なドラマーと会う機会があり、彼から

折伏を受ける。

言われるがままに唱題を実践すると、自身の殻を破る生命力が湧いた。気付けば、公演前の動揺がなくなり、自分

の力を発揮することができるように。

周囲に仏法の素晴らしさを語り広げ、98年1月、対話を進めていた3人の友人と共に、御本尊を受持した。

同年9月、日本のSGI青年研修会に参加。本部幹部会で先生のスピーチを聴いた。

先生は「御義口伝」を通し、「我が身それ自体が『妙法』であり、一つの宇宙であると仏法は説く」「『妙』は仏

界、『法』は九界。生命と宇宙の全体が『妙法』である」と。

万人の仏性と無限の可能性を信じ抜く先生の言葉に胸が震えた。

英語版の小説『新・人間革命』第1巻を買い、帰りの機中で読んだ。描かれていたのは、米・ハワイに世界広布の

第一歩をしるした青年・山本伸一の姿。「師の誓願に呼応して、私もスイス広布に全力を注ごうと決意したのです」

以来、男子部長などを歴任し、青年部のリーダーとしてスイス広布をけん引。現在は、チューリヒ市立コンセルヴァ

トリウム音楽院など3校の公立音楽院でドラムを教える。“空席待ち”の講習希望者が出るほどの人気講師になった。

先生は昨年のエッセー「忘れ得ぬ旅 太陽の心で」(月刊誌「パンプキン」)の中で、「わが旧友は、生命の尊厳

に国境はないとの信条で、多文化のスイスにヨーロッパの共生の模範を築きたいと誓って、日々、奮闘しています」

とつづり、和歌を詠んでいる。


  
 わが街を

   人間共和の

     都にと

   汗する日々は

     黄金の時なり


  
個人主義が広がり、多文化が共存するスイス社会にあって、広布を進める根本の力は、「師弟の精神」にほかなら

ない。

89年の先生の訪問からメンバー数は13倍に拡大。きょうもスイスの同志は、壮麗なアルプスの山々に歓喜の凱

歌を響かせながら、師と共に、黄金の時を刻んでいる。

 

 

 

 

 

 

 


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